2022.02.13 Sunday
誰のために神宮外苑を破壊するのか
野球ファンであることから
あの愛着のある明治神宮野球場を壊す問題から発展し、居ても立っても居られないことから
なぜこのような愚かなことが進められているのか図書館の資料をまさぐったりして私なりに調べてみた
神宮外苑再開発で、樹齢100年以上の樹木を1000本以上伐採する計画
私自身、東京オリンピック招致が決まり、国立霞ヶ丘競技場陸上競技場（旧国立競技場）を壊すということを聞いてから、「何で壊すかな」という思いで真っ先に反対だった
でもご存知のとおり強硬に推し進められて新国立競技場は建てられた
色々と調べてみたらこれと同じ成行きが過去にもあったことがわかった
それは随分と過去にさかのぼるが1940年に開催される予定だった
幻の東京オリンピック
この少し前の1936年、当時同じ場所にあった明治神宮外苑競技場を取り壊して新たに建てる計画があったという
でもこれには神宮外苑の景観を壊すということで、この計画をリードした中心人物である東京大学教授岸田日出刀という人が「たった16日間のオリンピックのために壊すものではない」と反対し、駒沢ゴルフ場跡地に直前になって変更された
その後間もなくあの戦争がはじまり、明治神宮外苑競技場は私も映像で何度か見たが学徒出陣壮行会が行われ、ここからかけがえのない若き沢山の命が散っていったのだ
しかし、この悲しい出来事が起こった地にあるこの歴史的建造物を後世に残すべきだったと私自身思ったが、1958年に行われたアジア競技大会を開催するために壊されてしまった
ここで次のような言葉を紹介したい
「壊すときには壊す前にその建物がなぜ建てられたのかを考えてみよ」
ヨーロッパに古くから伝わる格言らしい
だからヨーロッパの町並みは日本と違って
古い町並みが残っているではないか
ヨーロッパの中世の町並みはだからなぜか人を惹きつける魅力があるものだ
このブログに以前書いたが、明治神宮野球場を壊すのも同じこと
100年を超える歴史がある伝統の一戦と言われる早慶戦を始め
東京六大学野球などが行われ、数々の名勝負を繰り広げてきた
アマチュア野球の聖地である球場
またベーブ・ルースやルー・ゲーリックがプレイしたという球場
それをなぜ壊すのか
そして国立霞ヶ丘競技場陸上競技場（旧国立競技場）が建てられるわけだが、この時スタンド高さをどうするのかが議論され、神宮外苑が近くにある絵画館を中心として景観が保たれているということから、絵画館とのバランスを維持しなければならないということを訴えた児玉九一という人たちの考えからこの時は神宮球場の外野スタンドを参考にして高さを考慮したという
しかし、その後行われた東京オリンピックによって結局は、バックスタンドを増設してしまったことで大幅に高くなってしまった
「歴史は繰り返す」と言われるが
国立霞ヶ丘競技場陸上競技場（旧国立競技場）も
結局は東京オリンピック２０２０のために取り壊され、そこにはさらに高い物が建った
もうそこには明治天皇を偲び奉るというものは全くなくなったと言っていい
断っておくが私は天皇崇拝主義者ではない
ここで言いたいのは、今のこの世というものは人間が時代の中で織りなし、詰まったものが連綿と受け継がれて現代にその姿を表していると思っている
それをことごとく無きものにするということは、過去と現在を分断する愚かなことだと思う
もうこのような愚かな行為は、無用の長物と言ってもいいくらいの新国立競技場で終わりでいい
でもそれは序章に過ぎず、さらにさらに大量の樹木を伐採し、都内に残るわずかな景勝地を破壊することをしてまでもなぜこの再開発を行うのか
そこには
経済優先
開発優先
を唱える
愚かな連中が
旧態依然としたことでしか飯を食っていくしかないと思っている奴らがそのために大量の樹木を伐採して…
木々だって生きているんだぞ
悲しいよ
悲しい
こんな奴らのために切られてしまう木々たち
これらの木々は今までどれだけ我々の心を癒してくれたことか
本当に
本当に
残念でならない
